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音楽コラム【ブルグミュラーへ進むまでの道のり】〜進度と練習時間の目安/お子様の理想的な開始時期/大人から始めた場合〜

【ブルグミュラーへ進むまでの道のり】

〜進度と練習時間の目安/お子様の理想的な開始時期/大人から始めた場合〜

 

川崎市高津区の鈴木理恵ピアノ教室です。

「ブルグミュラーに入るまで、どのくらいかかるの?」

「ピアノは何歳から始めるのがいいの?」

「大人からピアノを始めてた場合は?」

ピアノを始めたいと考える方にとって、“ブルグミュラー”はひとつの目標になりやすい教材です。

今回は、長年ピアノ指導をしてきた経験から、「ブルグミュラーへ進むまでの道のり」

進度・練習時間の目安とお子様の理想的な開始時期、そして大人からピアノ始めた場合についてお話しします。

 


 

■ お子様の場合:ピアノを始める理想の時期は?

 

以前は「5歳からで十分」と思っていました。

というのも、3〜4歳で時間をかけて覚える内容──たとえば、

 

• ドレミファソラシドの音階

• ピアノの鍵盤の位置

• 四分音符や二分音符といった音の長さ

 

こうした基礎的なことは、5〜6歳になると数ヶ月でスムーズに習得できることが多く、後から始めても追いつけるように見えるからです。

しかし、実際に指導していて感じるのは、小さい頃から音楽に親しみ、体験してきたお子さんの、伸び方の違いです。

 


 

■ 2〜4歳の「音楽体験」が土台になる

 

2〜4歳の時期は、聴いた音やリズムを素直にまねし、体で音楽を感じることができる年齢です。

この時期に、

 

• 音をよく聴く

• 歌う・まねる

• 体を使ってリズムを感じる

• 音が上がる/下がるといった感覚をつかむ

 

といった体験を積むことで、音楽的な感性やイメージ力が自然と育っていきます。

この“感覚的な土台”は、後にピアノで表現をしていくうえで、とても大切な力となります。

そのため、2〜4歳の時期は、教本を進めることやピアノを正しく弾けることにこだわるよりも、「音に親しむ時期」として音楽に触れることが、その後の大きな助けになります。

 


 

■ ピアノ導入期〜進度と教本

 

5歳頃になると、少しずつ教本を使いながら、本格的にピアノ学習を始められるようになります。

この時期に大切なのは、体系的に学べる導入教材を選び、基礎を丁寧に積み上げていくことです。

 

📘 よく使われる導入教本

 

導入教本には以下のようなものがあり、いずれもブルグミュラーへとつながる道筋が、段階的に組まれています。

 

・ぴあのどりーむ

・オルガン・ピアノの本

・バスティン・ピアノベーシックス

・グローバー・ピアノ教本

・アルフレッド・ピアノライブラリー

 

これらの教本では、以下のような基礎をバランスよく学んでいきます。

 

・音名・音価の理解

・指番号と運指

・ポジション移動

・拍子・リズムの読み取り

・音楽記号や用語の理解

・指を広げる/くぐる/縮める動作

・加線音の読み方

・簡単な調性への導入

 

ただし、これらの教本だけでは、ブルグミュラーに進むうえで必要な「譜読み力」「指の訓練」「表現力」などが不足することもあります。

 

📕 補助教本を使ってバランスよく育てる

 

そこで、以下のような補助教本を取り入れることで、音楽的・技術的な力をバランスよく伸ばすことができます。

 

・バーナム:基本的な指や腕の使い方が学べ、テクニック強化に最適

・ギロック:初期から表現力・音楽的な感性を育てる

・アキ・ピアノ教本:読譜力の強化に最適

・コダーイ・メソッド:リズム感・音感の土台づくりに効果的

・ピアノひけるよシリーズ:知っている曲で楽しく学べる

 

生徒一人ひとりの個性に合わせて、教材をうまく組み合わせることが大切です。

たとえば、

 

・譜読みが苦手な子にはアキ・ピアノ教本やコダーイを

・指の動きが苦手な子にはバーナムやテクニック系の本を

・表現力に課題がある子には、ギロックや邦人作曲家の作品で音楽のイメージを膨らませて

 

このように、それぞれの特性に合わせて工夫することで、無理なく、そして確実に力をつけることができます。

 


 

■ 大人からピアノを始める場合は?

 

導入教本は、基本的にお子様向けに作られているものが多いですが、大人向けの教本もいくつかあります。

ただし、大人用の教本は「楽しみながら弾けるようになること」を目的としているものが多く、クラシック音楽を本格的に学びたい方にとっては、基礎力が十分に身につきにくい場合があります。

ブルグミュラー、そしてソナチネへ進み、モーツァルトやベートーヴェンのソナタ、ショパン、ドビュッシーの名曲などを弾けるようになるためには、導入教本でしっかりと基礎を固めることがとても大切です。

そのため、大人の方にも、お子様向けに作られた導入教本を活用することをおすすめします。

大人の方は、理論的な理解が早い一方で、「頭ではわかっているのに指が思うように動かない」といった難しさを感じることがあります。

お子様とは進み方が異なるため、時には教本を飛ばしたり、入れ替えたり、逆にじっくり取り組んだりと、柔軟に進め方を工夫していくと良いでしょう。

また、ツェルニー、バーナム、ハノンなどの教本を取り入れながら、頭と指先の連動を意識して学んでいくことが効果的です。

独学で学ぶ場合も、体系的に基礎が学べる教本(📘よく使われる導入教本)を選ぶことで、確かな力が身につきやすくなるでしょう。

 


 

■ 練習時間の目安と進度の理想

 

導入期における練習時間の目安は、毎日30分〜1時間程度が理想です。

最初は短時間でも構いません。大切なのは、毎日ピアノに向かう習慣をつけることです。

1日でまとめて練習するのは効果的ではありません。せっかく覚えた感覚も、数日弾かないとすぐに元に戻ってしまいます。

導入教本を2〜4年かけて終えることが、ひとつの目標となります。

あくまでも理想です!

この期間で育てたいのは、以下のような基礎力です。

 

・楽譜を自分で読む力

・指・手首・腕・体全体の使い方

・音楽的な表現力

 

これらの基礎力がしっかりと育っていると、ブルグミュラーへと無理なく進むことができるのです。

 


 

ブルグミュラーは、ピアノ学習における大きな節目であり、これから音楽をより深く楽しんでいくための土台となる教本です。

そこへ向かうまでの道のりを、焦らず、丁寧に、正しく、楽しみながら進めて、確かな基礎力を築いていきましょう!

 

 

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