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【ピアノの楽譜の休符は休んでいい?】休符の役割

【ピアノの楽譜の休符は休んでいい?】

 

川崎市高津区の鈴木理恵ピアノ教室です。

ピアノを習い始めた頃、「休符は音を出さないで休むもの」と教わった方も多いのではないでしょうか。

これは間違いではありません。

でも、実は休符はピアノ演奏においてとても重要な役割を持っています。

ただの「休み」として捉えるのではなく、演奏技術や音楽的な表現の観点から休符を理解することで、演奏全体の質がぐんと向上します。

今回は、そんな「休符」の持つ役割について、考えてみましょう。

 

 


 

1・次の準備をする時間

 

演奏中の休符は、次のフレーズや動作への準備をする大切な時間です。

次に動かす指を意識したり、弾く位置を確認して指や手を移動させたり、体の重心を移動して姿勢を整えたりと、休符を使って次の演奏に備えます。

しかし、ピアノを始めたばかりの頃は、休符を「お休み」と捉えてしまい、次の音の準備ができておらず、慌てて弾いてしまうことがよくあります。

そのため、このような休符の使い方を意識することは、導入段階からしっかりと身につけておきたい大切なポイントです。

 

 


 

2・息を吸う時間

 

音楽において、フレーズはとても大切な要素です。

フレーズとは文章で例えると、句読点や段落の区切りにあたります。

これがあることで、音楽に流れと説得力が生まれます。

特に「休符」は、フレーズに自然な「呼吸感」を与えるための重要な役割を果たします。

言葉を話すときに息継ぎをするように、演奏でも休符を使って息を吸い、音楽に自然な間を作ることで聴く人に心地よい印象を与えられます。 

また、休符で深く息を吸ってしっかりと場面を変えることもできますし、浅い息継ぎをして緊張感を与えることもできます。

息の吸い方で音楽の表現は大きく変わります。

ぜひいろいろな工夫をしてみましょう。

 


 

3・静寂を生み出す

 

休符があることで、音楽に緊張感や静寂感が生まれます。

この「静けさ」が次の音への期待感を高め、続くフレーズをより引き立てる効果を持っています。

時には、休符による「無音」に意識を集中させてみましょう。

休符を音楽の一部として「演奏する」感覚を持つことで、深みが一層増していきます。

 


 

4・余韻を感じる

 

音が止まったあと、空間に余韻が響き渡ります。

休符によってその余韻が次のフレーズへ橋渡しをしてくれます。

余韻を感じることで、音楽にさらなる流れが生まれます。

休符を使って、空間に響くその余韻を感じてみましょう。

余韻を楽しむことで、演奏全体がより豊かで深く説得力のあるものになります。

 


 

5・コントラストを作る

 

音楽は、対比や変化によってドラマチックに展開します。

休符を巧みに使うことで、強弱やテンポのコントラストを生み出し、深い印象を与えることができます。

例えば、静まり返る休符の後に突然大きな音が鳴ったり、静寂の後に激しく動くパッセージが続くことで、緊張感や驚きや躍動感を生み出すことができます。

このようなコントラストを生み出す休符は、息を潜めて、気持ちを集中させましょう。

このような変化が、音楽の表現をより豊かでダイナミックにするのです。

 


 

6・手や体の緊張を解く

 

長い演奏では、手や腕の疲労が集中力を妨げることがあります。

休符をうまく活用することで、身体をリラックスさせ、次の演奏に向けて集中力を取り戻すことができます。

例えば、休符の間に瞬時に手や腕の脱力をして筋肉の緊張を緩め、演奏に支障をきたさないようにすることができます。

(本来は常に脱力状態で演奏できればいいのですが、どうしても力が入ってしまいますね)

このように演奏技術の面でも、休符は重要な役割を果たしているのです。

 


 

ピアノの演奏において、休符は単なる「休み時間」ではなく、音楽の流れを支えるとても重要な要素です。

音楽的観点からは感情を伝える手段として、また、テクニック的観点からは演奏をスムーズにするための準備として大きな役割を果たします。

ぜひ休符を「演奏」する気持ちで取り組んでみてくださいね

 

 

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